アウトランダーPHEVは通常のアウトランダーの利便性、走行性能、積載性などの快適性を、とても低いランニングコストで提供してくれる。
平日の定期ルートは完全な電気自動車として、週末のドライブはハイブリッドとして活用するという、疑似的2台運用を実現している。
とはいっても400万前後する高価な車なので、イニシャルコストはかなり高めだ。
仮にガソリン仕様のアウトランダーと比較した場合、もとが取れるのかどうかが気になるところではあるのだが、実際の運用を想定して検証してゆきたいと思う。
【条件】
- 平日は40㎞、休日は100㎞走行する。
- 燃費及び電気での走行可能距離はカタログ値の7割とする。
- 関西電力の深夜料金(1kwh≒10円)を使用する。
- レギュラーガソリン価格は125円とする。
PHEV車の場合
平日の運用想定
まずは平日。
アウトランダーPHEVはカタログ値で60.8kmを電気だけで走れるとされており、これの7割が実際の値とした場合、42.5km。つまり、平日はガソリンを使うことなく利用できる。
搭載されるバッテリーの容量は12kwhで、満充電には120円のコストがかかる。
つまり1km走行するのに必要なコストは
120÷42.5=2.8(円)となり、平日5日間(200㎞)では200×2.8=560円となる。
休日の運用想定
休日に関しては42.5㎞を電気で、残りの57.5㎞をハイブリッド走行で賄う必要がある。
(最も、外出先での無料充電などを駆使すればもっと安く上げることも可能である。)
ハイブリッド走行での燃費は19.2km/lであり7割とすると13.4km/l。
1㎞走行するのに必要なコストは125÷13.4=9.3(円)したがって休日1日の走行コストは
42.5×2.8+57.5×9.3=653.7(円)
まとめると1週間の走行コストは560+653.7×2=1867.4(円)となる。
1年は52週あるので
1867.4×52=97104(円)がアウトランダーPHEVの1年間の走行コストになる。
ガソリン車の場合
ガソリン車は単純だ。
同じ4WDモデルの場合、燃費は14.6km/l。7割計算で10.2km/l。1㎞のコストは12.25円。
1週間で400㎞走行するので、1週間では4900円、1年で25万4800円となる。
実に1年で15万7700円の差が生まれる計算となった。
イニシャルコストの違いについて
ここで両車の価格差も考慮する必要がある。
予防安全機能が標準装備されているSafety Packageで比較すると、PHEVが397万円でガソリンが296万円とおよそ100万円の差がある。
さらにPHEVは補助金、免税等もあり32万5000円ほど価格差が縮まる。つまり67万円が差額となる。
(ガソリン車の免税額も考慮)
単純計算で4年~5年程度で元が取れてしまう計算になる。
ただし、上記の過程はPHEVが理想とするヘビーユーザーである。なにせ年間2万キロも走っているのだから。
もっとも年間1万キロ程度の走行でも10年で元が取れる計算にはなるが、それは少々リスキーだ。
バッテリーの技術とガソリンエンジンの技術の完成度でいえば、圧倒的にガソリン車の方が致命的リスクが少ないだろうし、電池の容量がへたる事も十分にあり得る。
8年16万キロの保証内に交換等ができればよいが、保証終了後に1度でも電池交換を行おうものならコストは一気に逆転してしまう。
ヘビーユーザーならPHEVが断然オススメ
トータルコストだけで考えるのならば、ヘビーユーザーは間違いなくPHEVだ。
5年で元はとれるし、圧倒的なパワー、旋回性能、給電機能等、メリットは数えきれない。
その一方でライトユーザーはガソリン車を選択するのが賢明だ。
値引きも大きいだろうし何より劣化、致命的故障のリスクが少ない。
さらにはその気になれば20年程度乗り続ける事が出来るであろう。
こういうと元も子もないが、世の中には100万円程度から新車を購入することができるし、タクシーも、カーシェアリングもある。
なにもアウトランダーにこだわる必要がないのもまた事実だ。
とはいうものの、ガソリン車には7人乗りというメリットもあるし、PHEVにはガソリン車では得られないメリットが多数存在する。
その差が65万であるならば、個人的にはPHEVをお勧めしたい。
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